聖書に曰く「初めに言葉あり、言は神と共にあり、言は神なりき」この冒頭の
文は興味深く、太古の人々が異口同音に「言葉=神」と考え、仮名の一音一音にそれぞれの神が宿ると考えていた思想と、近い物があると思えます。
しかし、普通我々が『言霊』に関しての一般的な概念として、「悪い言を言えば悪くなって行き、良い事を言えば良くなって行く」と、大よそこういった認識
ではないかと思います(決して間違っているとは思いませんが)
しかし聖書にこういった記述がある為か分かりませんが、西洋のスピリチュアリズムの世界にも若干ながら、似た記述が見受けられます。
ベールの彼方の生活 |
・吾々招待にあずかった者が全員集合すると、主のお供をしてきた
天使群が声高らかに賛美の聖歌を合唱し、吾々もそれに加わりました。貴殿はその聖歌の趣旨を知りたがってお
られる。それはおよそ次のようなものでした。 |
ことばが神の意志と意図を語った時に物質に近い性質を帯びて、それより物質が誕生した…
これでは意味が分かりませんが、本来はギリシャ語のロゴス(宇宙を支配する原理と
いった意味)が「The Word」として訳されたものの様です。
つまり根本的に日本の言霊信仰とは異なっている様ですが、Wikipediaでは
「言霊(ことだま)とは、一般的には日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力のこと。言魂とも書
く。 |
となっています。純粋に「言葉」という単語の解釈を省くと、聖書の記述と言霊の概念としては良く似ていることが分かります。
秀真伝は、古事記・日本書紀のプロトだと言われており、実際にも同じ様な神話(イザナギ・イザナミ神の神産み)が記されて有ります。しかし、プロ トタイプと言うと未だ未完成で、古事記・日本書紀で加筆・訂正されたという印象がありますが、実際には『おしで』で書かれた世界の方が完成度は高い様で す。漢字に 直す際に少々無理があったと考えられます。
秀真伝にも、上記と同様の神産みの話しとして「いざなみのみこと」と「いざなきのみこと」が「あめみの柱」を廻って「ことば」を掛け合いながら、神産み をするというものが有ります。
あめみの柱を「いざなみのみこと」が、先に左に廻り「いざなきのみこと」が続いて右に廻り、お互いが出会ったところで
いざなみのみこと「あなにえや、ゑおとこ」 |
(な んて良いことでしょう、良い男) |
いざなきのみこと「わなうれし、ゑおとめ」 |
(わあ嬉しい、良い女) |
と言いながら最初に産まれた神(淡島)は、グニャグニャとした、人とも何とも形容できない神が誕生してしまうのです。そこで二神は「フトマニ」に
照らし合わし、自らの間違いに気が付き、再度神産みをやり直すのです。
(歌の冒頭がそれぞれ「あ」と「わ」になっているのは、天地(あわ)の歌に対応させているのかもしれません。)
今度は「いざなきのみこと」が先に左に廻り、次に「いざなみのみこと」が右に廻り
いざなきのみこと「あなにゑや、うましおとめにあいき」 |
(ああなんて良いことか、良 い乙女に出会った) |
いざなみのみこ と「わなにやし、うましおとこにあいき」 |
(わなんて嬉しい、良い男に 逢った) |
と「ことば」を掛け合い、そして二神はそれぞれに、23の歌を歌いながらあめみの柱を廻るのです。この歌には、実際には『あわの歌』という46音の歌を 二神がそれぞれ、半分づつ歌う訳です。
ちなみに、あわの歌は「アカハナマ、イキヒニウミク、フヌム エケ、ヘネメオコホノ、モト ロソヨ、ヲテレセヱツル、スユンチリ、シヰタラサヤワ」というもので、いざなき神が左 から右へ23音、いざなみ神が右から左へ23音歌う訳 です。
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このアワの歌も、言霊として重要なものとされていますが、前述した通り、(あ)は天を、(わ) は地を現わすので、天(上)から下へ23本の左回りの染色体と、地(下)から上に23本の右回りの染色体との掛け合わせ、46の染色体(二重螺(らせん) 旋構造)のDNA構造で、生命の誕生を現わすと言う説があります。
実際に、最初に二神が失敗した様に、左回りの遺伝子の事をZ型DNAと呼び、これではグニャグニャと して、奇麗な螺旋構造を維持できなく、生命も誕生できないのです。さらに、秀真伝では、一貫して五七調のの和歌の形式を採っていますが、こ の5音と7音と合わせた12音という数は、DNAの染色体構造と同じなのです。
しかし、現代科学で男女の23の染色体を重ね合わし、二重螺旋構造のDNAが、46本の染色体数であると発見されたのは、1956年にスエーデン のチョ ウ博士と、レバーン博士の実験法の確率によって成されたのですから、西暦126年に編纂と言われるホツマツタヱで既に語られているのは、当然有り得ない事 で す。
これは偶然なのか、或いは何かしらの方法で、生命誕生の秘密を上古人は知っていたのか、または違う何かの意味があるのか、それは定かではありま
せん。
ちなみにDNAの持つ螺旋構造というのが、人間で言えば人体の末端の、足や手の指先の指紋に、或いは頭のつむじにと現れて来るそうです。
DNAと指紋で
は、確かに螺旋状と言う意味では相似系をしていますが、その大きさや形自体には、似てはいるが細部までソックリという訳では有りません。
雛型経綸も、始めは一部の小さな出来事が、大きく伝播している様と似ています。
右図は、ホツマツタヱに描かれたフトマニの図です。もちろん、元は神代文字にて記されているのですが、分かりやすく平仮名で書いてあります。
このフトマニの図では、中央に『あうわ』があり、その周囲に八神名『とほかみえひため』が周囲を巻いています。実はこのフトマニ図の図象は原子の特徴を
現わしていると言う説があります。
先ず、フトマニ図中央の『あうわ』ですが、原典ではオシデと呼ばれる神代文字で記されていますが、それぞれ「あ=」「う=」「わ=」となってい
ます。
原子は中央に原子核(陽子と中性子からなる)があり、その周囲に電子が取り囲むという三つの要素から成り立ち、陽子は+の電荷を持ち、電子は-の 電荷を 持ちながら、自転をしつつ原子核を周っていますが、原子が安定するには、その回転方向と逆の回転をする電子とが、ペアになり軌道に乗る事が必要となりま す。
つまり、原子の世界でも、陰陽のペアがあって安定するのであり、その陰陽の電子の状態(右回転と左回転)をとで表現しているのではないかという訳です。
これは平仮名で言えば「あ」と「わ」になりますが、秀真伝では「あ=天」「わ=地」としていて、やはり陰陽の考えがあったとも受け取れます。
また電子が最高で8つ迄入る事が出来、その状態が最も原子の安定した状態です。
フトマニ図でも、中央の円の周囲に『とほかみえひため』八神が並ぶという
のも、それを現わしていると考えられています。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) |
あ | う | わ | |||||||||||||
と | み | た | ほ | ゑ | め | か | ひ | ||||||||
す | へ | あ | を | ふ | し | も | い | ||||||||
つ | ゆ | ね | え | は | や | そ | よ | む | ぬ | な | ゐ | お | こ | ち | き |
る | ん | せ | て | ら | ま | の | ろ | く | う | わ | さ | れ | け | り | に |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) |
H | n | He | |||||||||||||
Li | Be | B | C | N | O | F | Ne | ||||||||
Na | Mg | AI | Si | P | S | CI | Ar | ||||||||
K | Ca | Se | Ti | V | Cr | Mn | FeCoNi | Cu | Zn | Ga | Ge | As | Se | Br | Kr |
Rb | Sr | Y | Zr | Nb | Mo | Te | RuRhPd | Ag | Cd | In | Sn | Sb | Te | I | Xe |
上記表は、円形のフトマニ図の一端を切り、長方形に延ばしたもので、この状態で原子の周期率表と同じ様に納まる事が分かります。
しかも、原子の周期率
を現わす場合は、むしろ円形フトマニ図の方が理想的で有るようです。
しかし、本当にフトマニ図が原子の様子を表現しているのか、単なる偶然か?という点に於いては、総てのものは相似系を成しているという点で極限られた原
子を現わしているだけでは無いという事も考えられます。
奇しくも、日月神示伝達者の岡本天明氏が著書の中で、古事記の神産み神話に触れて、ヒルコ=水素(H)、アハシマ=ヘリウム(He)、アハジ=リ シウム(Li)、フタナ=ベリリウム(Be)、オキ=ホウ素(B)、ツクシ=炭素(C)、イキ=窒素(N)、ツシマ=酸素(O)、サド=フルマリン (E)、アキツシマ=ネオン(Ne)・・・・と8つで一周期の終わり、というその順序と数と合わせてメ ンデレーエフの原子の周期率と殆ど同じであるとい う事を述べています。
いずれにしても、冒頭の「ベールの彼方」で述べられている、「ことばが神の意志と意図を語った時に物質に近い性質を帯びて、それより物質が誕生し
た」
というのは、何かの比喩ではないという事でしょうか、それとも地上で一般にWordとなっている為、同じ語を用いたのかも知れませんが興味深い所です。
最後に、本文の内容とは関係が無いですが、余り言霊学に凝っても仕方がないので、ことたまに関連する部分を日月神示から紹介したいと思います。
日月神示 |
●言(ことば)こそは誰もがもてるそのささげもの
であるぞ、与へても与へても無くならんマコトの宝であるぞ。 |